隣のおばあさんさぁ、昨日転んで骨折して入院したらしいよ。うちの父と母ももう歳だしちょっと心配になってきたなぁ・・
そうね・・お義父さんは足も悪いし、お義母さんは退院してきたばかりだし色々と心配ね・・・
高齢者の生活で気を付けないといけない事ってあるのかな?具体的にはどういうことをすればいいのか全然わかんないんや。
まずは高齢者の暮らしに潜む危険を把握することが必要だね!
高齢者は家の中での不慮の事故が多い
高齢者ってね、家の中での事故が多いんだよ
え?交通事故とか外で転んだりすることが多いんじゃないの?
高齢者の家庭内での不慮の事故死は交通事故よりも多く、その原因と割合は次の表のようになっています
1位は転倒・転落
2位は誤嚥等の不慮の窒息
3位は不慮の溺死・溺水なんだね
高齢者は色々な機能がうまく働かなくなってきたりするので今まで平気だったことも意識して気を付けていかないとダメなのよ
家庭での高齢者の3つの見守りポイントはもう気付きましたか?先ほどの不慮の事故の1位から3位のようなことが起こらないようにひとつづつ対応を考えていきましょう
高齢者の見守りポイント➀ 転倒・転落
家庭内での不慮の事故として最も多いのが転倒・転落です
高齢者は転倒すると骨折することが多く、入院すると身体機能や認知機能が低下することもよくあります
入院前は何でもひとりで出来ていた方が退院してきてからは介護が必要になったり、自力歩行が出来ていた方ができなくなったり、認知症の症状が進んだりなどの変化をたくさん見てきました
”転んだだけ”で済まなくなることが多いんです!
でも、住み慣れた家でしょ?どうして転ぶの?
高齢になってくると足の筋力が衰えてくるからすり足で歩きがちになるの。カーペットなどの敷物やほんの少しの段差など今までは大丈夫だったところでも足を取られたり、畳のヘリでつまずくこともあるからけっこう注意が必要なの。目に見えてわかる大きな段差よりも、あまり気にしない少しの段差の方が危ないのよ!
転倒・転落の危険な箇所
転倒を防ぐ為には
転倒を防ぐ為には場所に合ったアイテムを取り入れたり、履物などにも気を付けることが必要です
杖などが必要ない自力歩行の方でも手すりがあるとないとでは生活のしやすさに大きな違いが出ます!
色々な種類の手すりがあるので使う場所にあったものを選んで下さいね
高齢者の見守りポイント② お風呂での事故
転倒の次の多いのは入浴時の事故です
塗れている床で転倒の転倒や元々の病気以外にお風呂場には「ヒートショック」という危険が潜んでいます
ヒートショック!?言葉は聞いたことあるんだけど・・
脱衣所やお風呂、トイレなどの温度差が大きいところは血圧が大きく変動するのね、それが原因で身体に起こる悪い影響がヒートショックなんだけど、意識を失ったり酷い場合は脳卒中や心筋梗塞を引き起こすこともあるの
もし浴槽内で意識を失ったら溺れるよね・・・
ヒートショックの危険な場所
寒いところでは血管が収縮して血圧が上がり、暖かいところでは血管がゆるんで血圧が下がります
ヒートショックを防ぐ為には
気温が下がっていない早い時間に入浴するのもいいですね!
高齢者の見守りポイント③ 食事中の窒息と誤嚥
続いては食事中の事故です
毎日当たり前のように行う食事ですら危険が潜んでいるんです
高齢者がよくのどに詰まらせるのはお餅だよね。お正月は気を付けましょうってこと?
確かに、お正月は高齢者がお餅をのどに詰まらせたニュースを毎年目にしますね。でも、お餅だけ気を付ければいいという事じゃないんだよ!
高齢者が食べ物をのどに詰まらせやすい訳
高齢になると色々な身体機能が低下してきますが「食べる」という事に関しての機能も低下してきます
食べ物を口に入れて咀嚼して飲み込むという流れを摂食嚥下というのですが、高齢になると唾液の分泌量が減少、歯が抜けたり義歯になったりして噛む力が弱くなる、舌や飲み込む時の筋力が低下するなどが原因で摂食嚥下の動作がうまくいかないということが起こってきます
これはお餅に限らず他の食べ物でも同じで、特にのどに詰まらせることが多い食べ物はこのようなものです
水分が少ないものや、噛みにくいもの、ツルっと喉に入り込みやすいものなどかな?でも、おかゆなんて意外だね!
そうなの!おかゆだってもっちりしているものは危ないし口に入れる量が多い場合も危険!この他にもナッツやこんにゃく、イカやタコも注意が必要です!
食べ物をのどに詰まらせない為には
可能なら食事は見守ってくれる人がいる時がいいですね。
最近では高齢者さんでも食べやすいお弁当の宅配サービスも充実しています。管理栄養士さんらがしっかりと栄養バランスを考えた食事なので安心して食べることができますね!
誤嚥も危険!高齢者は誤嚥性肺炎になることが多い!
高齢者は誤嚥にも気を付けないといけません!
誤嚥はのどに詰まるのとは違うの?どういう状態?
本来、咀嚼して小さくなった食べ物は飲み込むと食道を通って胃に送られます
誤嚥とはその食べ物が誤って器官へ入ってしまうことです
器官へ入った食べ物や唾液に細菌が含まれていた場合は肺で炎症が起こり、誤嚥性肺炎を発症します
誤嚥性肺炎で亡くなる高齢者はけっこう多いのよ。
僕も食べてるときに変なところに入って咳き込むことがあるよ
それは誤嚥を防ぐ為の反応ね。でも、高齢になると咳反射も低下するし、免疫力も低下してるから余計に注意が必要なの。あと、唾液だけでも誤嚥しちゃうこともあるから口腔内も清潔にしておかないとね!入れ歯も食後はすすいだ方がいいわよ。
私の父は誤嚥性肺炎で何度も入院しているのですが、「話しかけられると変なところ(器官のこと)に入りやすい」と言います
普段食べ物や唾液を飲み込む時は喉頭蓋という部分が器官に蓋して食堂へと送り込んでくれるのですが、”話そう”と考えるだけでそのシステムが誤作動して誤嚥しやすくなるということですね
食事中に会話をする時は飲み込んだのを確認してから話しかけるようにしましょう
高齢者のみまもりポイント まとめ
高齢者の自宅での見守りポイントはおわかりいただけましたでしょうか?
もう一度おさらいしましょう
- 屋内での転倒に気を付ける
- 入浴時などのヒートショックに気を付ける
- 食事中の窒息や誤嚥に気を付ける
さっそく実家に行って転倒しそうな場所がないか見てくるよ!食事の時の注意点なんかも教えてくる!
ヒーターも忘れずに持って行ってね
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