「え?暑いやろ…」
思わずそう言いたくなる場面、ありませんか?

今日めっちゃ暑いし、エアコンつけとこか…

え〜まだ大丈夫やで。ちょうどいいで。
こっちは汗だくなのに、なぜか高齢の親は平気そう。
実はこれ、珍しいことではありません。
高齢になると、暑さや寒さの感じ方に“ズレ”が生まれることがあります。
この記事では、
なぜ「暑い日に寒い」と感じてしまうのか、その理由と、
無理なくできるエアコンの使い方の工夫についてお伝えします。
高齢の親がエアコンをつけない…暑いのに寒いと言われて困るとき
夏になると、エアコンをめぐるちょっとした悩みが出てきます。
「今日は暑いからエアコンつけようか」と声をかけても、
「まだ大丈夫」「寒いからいらない」と言われてしまう。

いやいや…こっちは普通に暑いんやけど

ちょっと寒いくらいやわ。

寒い?絶対暑いと思うで…
寒いと言われると無理にエアコンをつけるのも気が引けるし、
そのままにしておくのも心配。
どうしたらいいのか分からず、戸惑ってしまいますよね。
そして実は、私の家では心配なことがありました。
ある夏のことです。
母が脳梗塞で退院したあと、仕事に行く前にエアコンをつけたのに、帰宅するとエアコンが切れていました。

ただいまー!え…なんでエアコン切ってるん?

寒かったから切ったんよ
部屋の中は、正直かなり危険な暑さになっていました。
でも母は、その中に普通に座っていました。
しかもリモコンの操作もうまくできず、自分で調整することも難しい状態でした。
このとき強く感じたのは、
「本人の“寒い”という感覚は、そのまま安全とは限らない」ということでした。

感覚だけで判断するの、ほんまに危ないな…
私が働いていた施設の利用者さんの中には、暑い日でも暖房をつけておられる方もいました。
「え?なんで暖房?」と思ってしまう場面ですが、
本人にとっては“ちょうどいい”と感じていることもあります。
こうした経験があると、
「ただ暑い・寒いの話じゃない」と実感します。
なぜ?高齢者が「寒い」と感じてしまう理由
なぜ高齢者は「暑いのに寒い」と感じてしまうのか
親がエアコンをつけなかったり、暑い日に「寒い」と言う背景には、いくつかの理由があります。
どれか一つというより、いくつかが重なって起きていることが多いです。
体温調節がうまくいかなくなる
年齢を重ねると、体温を調整する力が少しずつ変化していきます。
暑さを感じて体温を下げる力や、寒さを感じて温める力がうまく働きにくくなることがあります。
さらに、痩せて脂肪が少ない方は体に熱をためにくく、寒さを感じやすくなることもあります。
そのため、実際の室温と本人の感じ方にズレが出ることがあります。

同じ部屋におっても、感じ方が違うんやね…
感覚の鈍化
加齢によって、暑さや寒さの感覚が少しずつ鈍くなることがあります。
そのため、周りが「暑い」と感じていても、本人にはそこまで強く感じられていない場合があります。
「まだ大丈夫」と言ってしまう背景には、こうした変化が関係していることもあります。
活動量が少ないと体が冷えやすい
動く時間が少ないと、体の中で熱が作られにくくなります。
そのため、室温が高くても体が冷えているように感じることがあります。
座って過ごす時間が長い場合などは、特に寒さを感じやすくなります。
体調・病気
体調の変化や持病の影響によって、体の感覚が変わることもあります。
特に自律神経のバランスが崩れると、体温調整がうまくいかなくなることがあります。
その結果、実際の気温と「暑い・寒い」の感覚がずれてしまうことがあります。

“暑いのに寒い”って、そういうこともあるんやなぁ…
エアコンの使い方でも“寒さ”は変わる
高齢者が「寒い」と感じるのは、加齢や体調だけが原因ではありません。
エアコンの使い方によっても、体感温度は大きく変わります。
家族にとっては快適な温度でも、高齢の親にとっては寒く感じることがあります。
「暑いから設定温度を下げよう」と考える前に、エアコンの使い方を見直してみることも大切です。
部屋が狭いと冷えすぎることがある
エアコンは部屋全体を冷やしますが、部屋が狭い場合は想像以上に冷えやすくなります。
特に一人暮らしの高齢者は、寝室や居間など比較的小さな部屋で過ごすことが多いため、設定温度によっては冷えすぎてしまうことがあります。
家族が別の部屋から来ると「暑い」と感じても、長時間その部屋にいる本人は寒く感じているかもしれません。
室温計を置いて、感覚だけでなく実際の温度も確認すると安心です。
無理なくできるエアコンの工夫と対策
高齢の親が「寒い」と感じているからといって、真夏にエアコンを止めてしまうのは熱中症のリスクがあります。
大切なのは、本人の感覚も尊重しながら、無理なく快適に過ごせる環境を整えることです。
我が家でも「暑いからつけて」「寒いから消したい」の繰り返しでしたが、少し工夫するだけで過ごしやすくなりました。
設定温度を下げすぎない
暑い日が続くと、つい設定温度を低くしたくなります。
しかし、高齢者は冷えを感じやすいこともあるため、設定温度が低すぎると「寒いから消したい」となりがちです。
環境省では夏の室温の目安として28℃を推奨しています。
もちろん住環境によって調整は必要ですが、必要以上に冷やしすぎないことも大切です。
「とにかく涼しくする」よりも、「安全に過ごせる温度を保つ」という考え方がおすすめです。

介護現場でも、夏に薄手の長袖や膝掛けを使って調節したりします。

そういえば、デイサービスでも寒いと言ったら膝掛けを貸してくれたわ。
扇風機を併用して空気を循環させる
エアコンだけに頼ると、場所によって温度差ができることがあります。
そんな時は扇風機やサーキュレーターを併用して空気を循環させると、部屋全体が均一な温度になりやすくなります。
設定温度を極端に下げなくても涼しく感じられるため、高齢者の冷え対策にもつながります。
風向きを調整して直接当てない
高齢者が「寒い」と感じる原因のひとつが、冷風の直撃です。
エアコンの風がソファやベッドに直接当たっている場合は、風向きを上向きに変更してみましょう。
風が部屋全体に広がりやすくなり、体への負担も少なくなります。
「エアコンを消す」ではなく、「風の当たり方を変える」という工夫も効果的です。
感覚に頼らない見守りも大切(センサーの活用)
高齢者は暑さや寒さの感じ方が若い頃とは変わることがあります。
そのため、
「本人が寒いと言っているから大丈夫」
「本人が暑くないと言うから安心」
とは限りません。
本人が寒いと感じてエアコンを入れず、実際は28度以上になる室内で過ごしているのを見た時に”感覚だけに頼る危険性”を感じました。
真夏は特に、室温や湿度を客観的に確認できる環境があると安心です。
最近はスマートフォンで温度を確認できる温湿度センサーもあります。
離れて暮らす親の見守りにも役立つため、心配な方は活用を検討してみるのもよいでしょう。

まとめ|「寒い」という感覚も尊重しながら見守る
高齢になると、体温調節機能や温度の感じ方が変化します。
そのため、家族が暑いと感じていても、本人は本当に寒さを感じていることがあります。
だからといって、真夏にエアコンを使わずに過ごすのは熱中症のリスクにつながります。
大切なのは、「寒いなんておかしい」と否定することではなく、本人の感覚を尊重しながら安全な環境を整えることです。
設定温度や風向きを工夫したり、室温を確認できる環境を整えたりすることで、無理なく暑さ対策ができます。
親御さんの「寒い」という言葉の背景を理解しながら、安心して夏を過ごせる方法を見つけていきましょう。


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